車載ネットワークとは
過去、自動車に搭載されているECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)が数個しかなかった時代に比べると、現在は100個以上搭載されて車内の様々な制御を担っています。
多数のECUが連携して自動車をスムーズに制御できるように互いに接続されて、車内でネットワーク(車載ネットワーク)が形成されるようになりました。
本書はサブタイトルとして「CAN, LIN, FlexRayのプロトコルと実装」と銘打たれているように、3つの代表的な車載ネットワーク規格の通信手順であるプロトコルや開発(設計、実装)方法が解説されています。
本書の目次
- 第1章 自動車とエレクトロニクス
- 第2章 車載LAN開発に必要なネットワークの基礎知識
- 第3章 CANプロトコルを理解する
- 第4章 CANシステムはこう設計する
- 第5章 LINプロトコルを理解する
- 第6章 LINクラスタを開発する
- 第7章 FlexRayプロトコルを理解する
- 第8章 FlexRayプロトコルを実装する
本書は、Design Wave Magazineに掲載された記事をもとに再編集したものです。
まとめ
冒頭でも述べたように、ネットワークはパソコンやスマートフォンなどの話だけではなく、自動車業界にも広がってきていて非常に注目されています。
さらに、車載ネットワークは車内で完結する閉じた世界だったのですが、VICS(Vehicle Information and Communication System)やETC(Electronic Toll Collection)といった技術が導入されて、どんどん外部ネットワークとの接続が開放されています。
最近では、MOST(Media Oriented Systems Transport)や車載Ethernetといったさらに高速な規格も登場して、ますます大量の情報が車内及び車外を駆け巡るようになっていくでしょう。
発刊が少し古いですが、ネットワークの基礎知識を理解する目的でプロトコルについてかなり丁寧な説明がされています。
CANやLIN、FlexRayなどの車載ネットワークシステムについて解説している書籍はかなり数が少ないため貴重です。
(インターネット上では資料や解説記事が存在して見ることができますが)
これから新たに車業界に関わる人には手元に置いておくと役に立つ本だと思います。
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